Yi-Ting | 台湾の専門不織布メーカー

不織布のOEMプロジェクトを始めるお客様の多くが、まず知りたいのは次の3点です。開始するには何を用意すればよいのか。サンプル作製にはどのくらいの期間がかかるのか。そして、サンプル承認後の量産品質はどのように維持されるのか。

易廷(Yi-Ting)は30年以上の不織布製造経験を持ち、15種類・50台の加工設備と、不織布複合材の専用開発ラインを備えています。本記事では、初期の要件から検証済みのサンプル、そして安定した量産へと製品を仕上げていく流れを、実際の用途を例に説明します。不織布が初めての方は、不織布とは?特徴・種類・用途をやさしく解説で基本をご確認いただけます。

開始にあたってご用意いただくもの

どの素材を使うべきか、どの設備で製造するかを、お客様が把握している必要はありません。ほとんどのプロジェクトは、次の3つから始まります。

1. 製品の用途と使用環境。100°Cでのコーヒー抽出、輸送中の自動車部品の保護、屋外でひと栽培シーズンを耐えること。用途ごとに、強度、防水性または透水性、通気性、遮光性、印刷適性に求められる条件は異なります。使用条件がわかれば、素材選定をどこから始めるべきかが見えてきます。

2. 最も重視する性能。ハンドドリップ用コーヒーフィルターであれば、多くの場合は流速です。業務用抽出で使うティーバッグであれば、沸騰状態が続く中でのシール強度です。最初にこれを確認しておくことで、1回目のサンプルを正しい目標に向けて作製できます。(流速はフィルター素材そのものに大きく左右されます。詳しくはドリップコーヒーとコールドブリューに最適な不織布素材の選び方をご覧ください。)

3. お手元にある資料。現行品、サンプル、写真、図面、仕様書など、どれも役に立ちます。製品を自動充填機や包装機で使用する場合は、機種名または現在の運用方法をお知らせください。シール条件はお客様と一緒に確認し、必要に応じて製品側から機械側の調整方向をご提案します。

アイデアや写真が1枚あるだけでも、ご相談を始めるには十分です。

工程の設計方法:既存設備を組み合わせて製品をつくる

一見シンプルな不織布製品も、実際にはそう単純ではありません。平袋は一枚の布のように見えますが、製造にはスリット、折り、シール・カットという3つの工程を、3台の異なる機械で行う必要があります。お客様には製品図面やサンプルをお持ちいただき、工程は易廷が設計します。

工程設計はベースとなる不織布から始まります。スパンボンド、スパンレース、サーマルボンド、メルトブローンの各不織布は、強度、柔らかさ、嵩高さ、ろ過性能がそれぞれ異なり、どれを選ぶべきかは製品が果たすべき役割によって決まります。

そのうえで、15種類・50台の設備があるため、すべての製品を1本の固定ラインに通す必要はありません。スリット、巻き返し、横カット、ラミネート、成形、製袋、シール、カット、包装などの工程を組み合わせ、素材、寸法、構造、生産量に最も適した加工ルートを設計します。設備と工程の概要はコア製造能力をご覧ください。

この柔軟性により、お客様には3つの実際的なメリットがあります。

  • 少量から始められる。既存の設備と金型を組み合わせられるため、多くの製品は専用金型や新規設備なしで、そのままサンプル作製や量産に進めます。金型費用を回収するために、大量の初回発注をしていただく必要はありません。
  • 金型は投資に見合うときだけ。市場での差別化などの理由で専用金型が妥当な場合は、量産用金型と試作用金型の違い、そしてそれぞれが見合うタイミングをご説明します。
  • 柔軟な生産能力。同種の工程を複数の機械に振り分けられるため、単一製品の生産量を短期間で引き上げられます。易廷は最近、欧州と北米のお客様へのサービスを強化するため、サステナブルソリューション向けの生産能力を倍増しました。

用途事例:作物ごとに設計するフルーツ保護袋

フルーツ保護袋は、同じ製品カテゴリーでもまったく異なる解決策が必要になることをよく示しています。マンゴー、グアバ、ドラゴンフルーツ、梨、りんご、バナナ、パパイヤ、柿の生産者はいずれも袋を使いますが、作物や栽培環境によって、袋にかかる負荷はそれぞれ異なります。

フルーツ袋にはまず通気性が必要です。熱や湿気がこもると、果実の斑点や腐敗の原因になるからです。さらに、果実を食害する害虫やミバエを防ぎ、鳥害を抑え、雨による裂果を減らす必要もあります。遮光性とUVカット性は果皮の外観を守り、市場価値に直接影響します。また、多くの袋は繰り返し使用されるため耐久性も重要です。目付や圃場の条件によって異なりますが、易廷のフルーツ袋の多くは1〜3シーズン使用できます。

易廷は標準的な袋を一種類提供するのではなく、作物ごとの実際の条件から開発を始めます。

  • 素材と目付:気候と、袋が耐えるべきシーズン数に合わせて選定
  • 複合構造:単層ではすべての要件を満たせない場合に、不織布をPEフィルム、メッシュ、紙、防水層とラミネート
  • カスタムサイズと袋形状:幅・高さとも自由に設定でき、ドローストリングなしの設計や、ドラゴンフルーツなど特殊な果実向けの形状にも対応
  • 印刷・表示・輸出向け梱包:ブランドや輸出プログラムに対応

詳しくは不織布製フルーツ保護袋をご覧ください。同じ考え方は、霜害を受ける作物向けの防霜・防寒保護シートにも活かされています。

一つの袋がすべての作物に合うとは考えていません。開発の出発点は、果実が畑で実際に直面している課題です。

不織布OEMサンプル開発の6つのステップ

すべてのプロジェクトは同じ6つのステップで進みます。各ステップにどれだけの作業が必要かは、製品の複雑さによって異なります。下表は、各段階で易廷が行うことと、お客様が受け取るものをまとめたものです。

ステップ 易廷が行うこと お客様が受け取るもの
1. 要件の確認 製品の用途、重要な性能要件、既存のサンプルや図面を確認し、既存設備で製造できるかを検討 初期の実現可能性評価
2. 素材と工程の提案 出発点となる素材または複合構造を選定して加工ルートを設計し、既知の性能上のトレードオフを事前に説明 素材・構造・加工ルートの提案(金型の要否を含む)
3. 社内でのサンプル作製と試験 サンプルを作製し、流速、微粉の保持性、シール強度などの主要特性を模擬使用条件下で試験 サンプル(各サンプルで確認できる項目の説明付き)。試験データはご要望に応じて提供
4. お客様による試用 試用結果を確認し、変更が必要な点を特定 明確な調整計画
5. 調整と再サンプル 素材、構造、工程条件を調整し、前回の設定を流用せずに再検証 改訂版サンプル
6. 量産への移行 検証済みの工程条件を、量産の基準として文書化 製品仕様書と検証済み工程条件の記録

承認サンプルから安定した量産へ

承認されたサンプルは、量産で再現できてはじめて意味を持ちます。ただし、サンプルの作り方によって、それが量産品をどこまで代表できるかは変わります。金型完成前に作る手作りサンプルや、一部の工程を協力会社が担う製品では、量産品との間に差が生じる場合があります。サンプル作製の前に、そのサンプルで確認できること・できないことをご説明します。社内工程については、次の方法で量産品質の一貫性を保っています。

  • サンプルから量産まで同じ設備。社内での試作と量産は同じ機械で行い、検証済みの工程条件を量産の基準として記録します。
  • 仕様だけでなく、実際の性能で素材を検証。目付、厚み、公称仕様が同じ素材でも、供給元やロットによって性能が異なることがあり、ラミネートや成形などの加工後に性能がさらに変わることもあります。性能が重要な製品では、寸法や物性だけでなく、入荷時と加工後の機能性能を比較します。そのため、同じ供給元の同じ素材で再サンプルを行う場合でも、前回の条件がそのまま通用するとは考えず、工程条件を再検証します。
  • 社内でのろ過性能試験。TSI 8130シリーズのフィルター試験装置により、設定した流量条件下でろ過効率、透過率、圧力損失を測定します。マスク素材に限らず、入荷素材の確認、サンプル比較、加工前後の性能変化の検証にも活用しています。
  • 医療機器レベルの品質管理体制。易廷はISO 9001:2015およびISO 13485:2016の認証を取得しています。医療機器製造のために構築した文書管理、トレーサビリティ、不適合品の処理、工程管理の仕組みを、食品用フィルター、包装材、その他の製品ラインにも適用しています。食品接触材料については、年1回の社内抜き取り検査と第三者機関によるブラインド試験を実施しており、台湾、日本、米国、欧州のお客様に対し、販売先市場の要件に応じた食品接触・包装材試験をサポートしてきました。具体的な法規や試験項目は、製品、素材、販売先市場に応じて個別に確認します。

開発実績のある用途

不織布が驚くほど幅広い業界で使われていることは、不織布の用途事例からもわかります。易廷の開発実績は、主に次の3分野にわたります。

  • 食品接触用途:V形、T形、ウェーブ形、丸形、サイフォン用の各種コーヒーフィルター、ドリップバッグ用コーヒーフィルター、ヒートシール式平型コーヒーフィルターバッグ、ティーバッグ、スープ・スパイス用バッグ、スープ用油とりシート、せいろ用蒸し布。外食産業のお客様のニーズに応え、日本の専門製紙メーカーの業務用フライヤーオイルろ紙も取り扱っています。また、サステナブル不織布シリーズのPLAを含む、食品グレードの不織布も供給しています。台湾の小売店で販売されている空のティーバッグの80%以上は易廷が製造しています。茶葉包装の素材もあわせて検討されている場合も、同じ開発プロセスが適用されます。
  • 医療用途:平型、立体(3D)、子ども用、カスタムの医療用マスク。2020年から培ってきた医療グレードの製造経験に裏付けられています。
  • 生活・産業・農業用途:エアフィルターとレンジフードフィルター、排水口用水切り袋、不織布トートバッグ、高級アパレル用包装、ホテル用アメニティ、フルーツ保護袋、生分解性の農業用結束バンド、防水・透湿性の合成紙。

FAQ:不織布OEMサンプル開発

最初のお問い合わせからサンプル承認まで、どのくらいかかりますか?

主に製品の複雑さと、試用フィードバックのやり取りの速さによって決まります。易廷がすでに製造している製品タイプで、仕様が現在の工程能力の範囲内であれば、サンプル承認までは通常数週間です。新しい用途や未経験の複合構造では、より長い期間が必要です。初期評価の後、一般的な目安ではなく、お客様のプロジェクトに合わせたスケジュールをご提示します。

サンプル作製の最小数量はどのくらいですか?

コーヒーフィルターバッグなどの主力製品や同程度のサイズの製品であれば、試作は数百枚から可能です。多くの製品は既存の設備と金型で製造できるため、大量の初回発注で金型費用を分担する必要がないケースが多くあります。現在の製品範囲外の製品は、個別に評価します。

完全な仕様がなくても始められますか?

はい。アイデア、写真、または現行のサンプルがあれば始められます。素材、工程、製造の実現可能性は、お客様と一緒に検討していきます。

既存の製品をそのまま再現できますか?

原料の調達先や工程条件はメーカーごとに異なるため、素材がまったく同じになることはありません。目標は、流速、シール強度、使用時の構造安定性など、お客様の製品の性能と同等かそれ以上にすることです。既存の構造が最も効率的な方法でない場合は、代替案をご提案します。最初のサンプルを作製する前に、達成が見込める目標と想定される制約をお伝えします。

量産品はサンプルとまったく同じになりますか?

社内設備で製造する製品は、承認サンプルで検証した工程条件に沿って量産します。金型完成前に作る手作りサンプルや、一部の工程を協力会社が担う製品では、量産品との間に差が生じる場合があります。その点はサンプル作製前にご説明し、量産開始前に注意すべき点もご確認いただきます。

金型費用は必要ですか?

多くの場合は不要です。多くの製品は既存の設備と金型の組み合わせで製造できます。専用金型が必要な場合は、ご判断の前に選択肢と、それぞれが適するケースをご説明します。

サンプル承認後に、どのような書類を受け取れますか?

製品仕様書に加えて、検証済みの工程条件の記録をお渡しします。記録には、シール温度範囲、ドウェルタイム(加圧時間)、ウェブ張力設定、適用する検査基準、承認サンプルに使用した素材のロット番号が含まれます。量産は、仕様書の文言だけでなく、承認サンプルの実際の条件に照らして検証されます。

不織布OEMプロジェクトを始めましょう

どの素材を使うべきかを知っている必要も、完全な仕様をお持ちである必要もありません。製品の使い方と達成したいこと、または現行のサンプルをお知らせいただければ、素材、工程、製造の実現可能性から検討を始めます。

  • 製品のアイデアがある。どこで使い、どのような課題を解決したいのかをお聞かせください。
  • 既存の製品やサンプルがある。代替素材、コスト削減、第二の調達先をお探しですか?お客様と一緒に見直し、より良い選択肢を探します。
  • 明確な仕様がある。図面、素材仕様、現在の設備の情報がすでにありますか?素材選定、工程設計、サンプル作製、量産評価にすぐに進めます。

次のステップ:ご要件をお送りください。仕様書、図面、現行品の写真を添付していただけます。お気軽にお問い合わせください!

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